昔、みのもんたさんの司会で、「愛の貧乏脱出大作戦」という番組がありました。
私も、一時帰国の際に、喜んでみていました。
どういう番組かというと、たとえば「流行らないラーメン屋」があるとしますよね?
ラーメン屋のオヤジさんが、番組にサポートを依頼する。
番組は、流行っているラーメン屋を見つけ出し、売れないラーメン屋さんを修業に出すのです。
それで、売れてるラーメン屋の味を取得して戻ってくる。
お店もきっちりきれいにして、新装開店。
流行らないラーメン屋が、見事に「行列のできるラーメン屋」になり、
「貧乏から脱出する」というすばらしい番組でした。
あるとき日本に戻ると、「過去に番組がサポートして貧乏脱出した人たちは、その後どうなった?」という特集をしていました。
いろいろでした。
いろいろですが、大きく、
1、 その後も繁盛し、貧乏に逆戻りしていない人たち
2、 貧乏に逆戻りした人たち
にわかれていました。
では、「繁盛しつづける人たち」と「貧乏に逆戻りした人たち」
の違いはなんだったのでしょうか?
違いは、「たった一つ」しかありませんでした。
「繁盛しつづける人たち」は、番組から紹介された「師匠」のレシピを守っていました。
「貧乏に逆戻りした人たち」は、「師匠」のレシピを捨て去り、「自分の味付け」に戻っていました。
なんという「非理性的」なことをするのでしょうか?
自分の味付けがまずいから、店が流行らず貧乏だった。
師匠の味付けにしたら、うまいから繁盛し、金ができた。
しかし、しばらくすると、またまずい自分の味付けに戻ってしまう。
私たちが何かの分野で成功したいなら、その分野ですでに成功している「師匠」のいうことを、愚直に守りつづける必要があります。
「創造性」「独自性」を発揮するのは、「師匠」のレベルに達してから。
「貧しい私」は「エゴ」「我」が強いので、あなたにささやきます。
「師匠がなんだ!」「おまえだって、結構いけてるぜ!」「自分の道をすすもうぜ!」などなど。
しかし、私たちは、「師匠のほうが実績あるんだから」と素直な心で進む必要があるのです。
北野幸伯